「活性化」する


月に一度通っている整体の先生にアドバイスをもらった。
「毎日、15分外を歩いてごらん」と。
家の中で外界にあまり触れることもなく平穏に暮らす私は、ストレスもなく生命の危機も感じないから、逆に「生きる」という生命力が落ちているかもしれないという判断からだ。
「ここに行こう」という目的を持って歩くだけで、車や人をよけ、危険を交わしながらストレスを感じ(人に必要なストレス)、身体と心が活性化するという。
確かに、ここ2年くらいの私は平和ボケ気味かもしれない。
植物と動物に守られながら、生活の場を平和に保つことに徹底していたところはある。
例えるなら、山寺で淡々と世俗に惑わされることなく精進する毎日が送りたいなと思っていた。
起きて、掃除して、料理して、座禅して、お経を読んで、掃除して、料理して、ご飯を食べて、座禅して眠る。今この時だけを意識して暮らす。
達成しようとか、何かを手に入れようとか、あるいは長時間労働した挙句生活に追われる毎日とか、人と競争するとか足を引っ張り合うとか、大して興味のないことに興味あるふりをしたり、付き合いで何かをやるとか、マスコミの情報を疑問もなく受け入れるとか、漠然と恐怖を持つとか、焦るとか、そういうよくある社会のパターンから決別したかった。
自分の心の声に耳を澄まし、相手の心の声を聴き、自然を見つめ、生命の不思議を学び、周りの人に還元できる人になる。これも「何かを手に入れよう」ってことなのかもしれないけど。
そんなこんなで、旅に出ること以外はシーンと静まって暮らしていたのだけど、整体の先生が言うようにそろそろ「活性化」したいかも。
まずは毎日歩く。作品を作る。会いた人に会いに行く。
行きたいところに行く。呼吸を丁寧に。