そして朝が来た

避難した私たちは、首里城を見上げる位置のコンビニの駐車場で、様子を見ていた。
午前5時くらいだったかな。
火はここからも見える。弱まる気配はない。
テレビのニュースが見られたので、3人でじっと聞いていた。
ネットもテレビも、首里城火災のニュースであふれていた。
首里城正殿、北殿に続き、わが家側の南殿も燃え始めたと伝えている。
家からわずか150m。
私たちは家に無事帰れるのかな。
近所の人たちはみんな避難できたかな?

それから1時間くらいすると、火が小さくなってきた。
空は明るくなりつつあり、黒い煙に変わってきた。
駐車場に止めてあった車もほとんどなくなり、道路は通勤の車が多くなってきた。

午前7時頃、家に戻る。
完全に沈火はしていないけれど、もう炎は見えない。
もう仕事どころじゃない心境だったけど、シフトが入っていたので出勤。

いつもゆいレールから首里城の美しい風景が見えるところには、屋根が少しだけ残り黒くなった柱が見えた。
乗客たちは、みんなそちらの方を見つめていた。