神楽坂さいごの夜


この部屋で眠るのも最後なのね、と少しせつない気持ち夜。
引越し第一弾の荷物を出し終え、
明日、いや今日の第二弾にそなえたっぷりねむらなきゃ。
家具などが運び出された部屋は、
グリグラもいなくて、
白熱電球から蛍光灯に戻したものだから、
いつもの感じとちょっと違う。
わたしたち二人で始めた東京生活を支えてくれた部屋。
大家さんも、近所の人も、通りに住んでいるネコたちも、
みんながあたたかく受け入れてくれた大好きな場所。
この家に守られていたんだ。
ほんとうにありがとう。
胸の奥がジーンとする。