ブログ 壺屋すーじぐゎー日記

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絵本をかかえてボローニャへ(イタリア)

絵本をかかえてボローニャへ
2005 Bologna Fiere

第3話 来たからには!

背中をおされて
写真 吹き抜けのある明るいホール

 ボローニャ展、2日目。
 今日は心強いパートナータマと共に見本市会場へ。
タマは、会場にあるおいしいピザやボロネーゼを食べるのを楽しみにやってきた。 そして、おたおたしているわたしに「バンバン、作品見せてまわりなさいよ!」と背中を押してくれるために。

 お腹の調子も、だんだんよくなりつつあった。 昨日は、絵本の見本市の規模の大きさにおそれおののき、 「自分なんて絵本作家になれないよ」とすっかり落ち込んでいたけれど、今日は少しひらきなおっていた。
 「1回来たくらいで、思うようにいくわけがない。 そもそも、ボローニャの見本市がどんなものかを見てみようとここまで来たんじゃないか。 今回、感じたことは次につなげばいい。世界の絵本を見られるチャンスなんてなかなかないのだから、思いっきり楽しんでこよう」 そんなふうな気持ちになっていた。
 そして、今日は心強い味方がわたしのとなりにはいるのだから。

チャンスを狙え
写真 今日もたくさんの人の熱気いっぱい

 こうして少し落ち着いて会場を見渡してみると、わたしのように作品をもってウロウロ様子をうかがっている人がたくさんいた。
 各出版社のブースは、昨日よりも少しうちとけたムードが漂い(わたしの気持ちのせいだろうか?)、 編集者に作品をみてもらう行列がちらほらとできていた。 さっき板橋美術館のブースで、作品を見てくれる出版社をいくつか教えてもらっていたので、 チェックした会場の地図をみながらブースをまわった。

 その出版社がどんな絵本を出版しているのか知ることからはじめようと思った。 どうせ作品をみてもらうなら自分の世界と近いところがいいと思ったからだ。
 そういう視点で見てみると、なかなかおもしろかった。

写真 心をうたれた作品…  それでも、作品を見せるのを躊躇しているわたしをタマは 「ここでみてもらいなさいよ〜」「ココいいんじゃな〜い?」とおしりをたたいてくれた。 高校の頃から、いつもタマはこんな感じで臆病になっているわたしの背中をおしてくれったけ。 好きな男の子にバレンタインのチョコレートをわたそうとしてモジモジかくれているわたしを、 壁の向こうにつきとばしてくれたり、 「これほしいけれどどうしようかな〜」って買い物に迷うわたしに「これを買わないで何を買う」って太鼓判を押してくれたり、すばらしい友…。

これが売り込み?
写真 こんなところに荒井良二さんが!?

 タマが気に入ってたネズミのキャラクター絵本の出版社に作品を見てもらうことになった。 日本からもってきたイラクの絵本と、コトリたちのイラストをじっくりと見てくれた。
 「この出版社は、4歳くらいまでの子どもを対象にしている絵本なので、イラクの絵本は少しむずかしい。 でも、他の出版社にもたくさんみてもらうべきだ。何度も何度もトライして、みてもらうことが大切。 がんばって。英語あまりうまくなくてごめんなさい」と言ってくれた。
 わたしも、今度来るときは、英語でちゃんと説明できるように準備をしてこようと思った。  

 絵本の話は進まなかったけれど、こんなふうに作品を実際に見てもらうことで、ほんのりと喜びと勇気がでてきた。 これから自分がやるべきことが見えてきたようなそんな気持ち。
 その後、小鳥の絵本が多い出版社にトライしてみた。
 でも、もう夕方で編集者の人はすっかり終了モード。
「今回は、もういろんな人のをみて目がつかれてしまったから、次回見せに来てね」といわれて、もってきたイラスト名刺をわたして終わりにした。

 この日のために作った作品がなかったこともあり、今回は一つの出版社にしかみてもらえなかったけれど、 自分のなかでは「ボローニャとはこういうものだ」と体感できたことが、とても大切に思えた。
 「いつか、自信まんまんの気持ちでもう一度、ボローニャに来よう」と強く思った。

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