毎日、出勤


世界で一番お気に入りの店kahoriがもうすぐ閉店する。
ということで、もう商品がほぼ空っぽになってしまったお店に毎日通っているわたし。
かほるさんがお店のカウンターでハーブを調合したり、
お客さんとおしゃべりしている姿を眺めている。
このあいだの、クロージングパーティーでもみんなが言っていたように、
kahoriと過ごしたこの数年は奇跡みたいな時間だったから、
すこしでもこの時間をふやしたくて、トコトコと出勤している。
いろんなお客さんがきては、kahoriが閉店することをほんとうになごりおしく思っている様子をみていると、
かほるさんはこの3年半で、ただハーブやアロマやレメディーを販売してきただけではないというのが、
すごくよくわかる。
お金を出したからといって手にはいるとは限らない、目に見えないいろんなこと。
勇気とか、喜びとか、安心とか、ここにいていいのだという実感とか、自分は自分という確信とか。
kahoriが閉店して、神楽坂からいなくなってしまうのはほんとうにざんねんではあるけれど、
もうわたしたちは充分受けとったんだと思う。
今はもう、未来がみえないことが不安ではなく、
すべてのものが変化していくことが喜びにかわった。
大丈夫だと、もうなんでも大丈夫なのだと。