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「能」を観る

神楽坂は1年に1度「神楽坂まち舞台」というイベントがあり、街の各所で日本の伝統芸能が楽しめる。

その一つ、矢来能楽堂(暮らしている街に能楽堂があることが嬉しい!)で能「敦盛」(あつもり)を観た。

平家方の平敦盛は若くして、源氏方の奇襲により亡くなった。一方、敦盛を打った熊谷は戦いに嫌気がさし、出家して蓮生法師となる。

蓮生法師が敦盛を弔っていると、敦盛の亡霊が現れる。
敦盛が平家一門の悲しい末時を語り、舞い、やがて目の前の蓮生い打たれたことを思い出し刀を向ける。

刀を振りかざそうとした瞬間「同じ蓮の蓮生法師、敵に手はなかりけり」と刀を手放し、蓮生に向かって合掌した。

この時、何が起こったか。
敵と味方、他者と自分、それはこの世でのただの役割。
その境界線をなくして、ただすべてのものの平安を祈る(回向)。
憎しみを手放し、赦した時、暗黒の世界は終わり、光の世界へ。

「能」の世界に、宇宙の仕組みをみた。すごい、すごい、伝統芸能は人類の宝だと思った。