麻炭で染める

「おいとま展」の作品は、いつもと少し雰囲気が違うと思われるかもしれない。
柄はいつもどおり「トリ」なんだけれど、テーマであり「渡り鳥」のシルエットなんだ。
で、顔料はいつものようにカラフルな土ではなく、宮古島で作られている麻炭と土をまぜた。
植物で染めた布の地の色は、黄、ピンク、マジェンダ、クリーム。
麻炭の存在は、沖縄に引っ越してきてから知ったんだけれど、料理に使ったり、お風呂にいれたり、土にまぜたり、いろんな用途があって、今けっこう注目されている素材。
大麻(おおあさ)の茎を炭にしたものなんですって。
大麻は、「たいま」とかよばれて(これが昔ながらの正しい呼びかた)、危険な薬物という扱いを受けているけれど、古代から日本では神様と人をつなぐ神聖な植物として、神事や医療や食料などに重宝されてきたそうだ。
「波動」にこだわる人は大好きかもね。
去年の夏は大阪にいって、NPO日本麻協会が主催する「弁柄と麻炭で染めるワーク」に参加した。
大豆の汁と炭をまぜて布に染めるだけとうシンプルなものだった。
染めの工程はシンプルなほどいいね。あとは自由にデザインすればいいんだから。
植物のパワーあふれる布を染めたいなと思った。
そういえば、グリとグラのごはんにも毎日麻炭をまぜていたんだよ。
パウダー状だから、くちばしの周りが黒くなってかわいいんだ。
染めることも、食することもすべて祈りなんだよね。