グラと過ごした最後の夜

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
2日連続でグラが夢にでてきた。
そして、今日ふとグラとの最後の時間を思い出した。
12月24日の午後11時過ぎ頃、眠るためにケースに戻したグラに「グラ、グラ、グラ!」と何度も名前をよびかけた。なんでそうしたのかは覚えてないない。
でも、今思えば、グラという名前をこの地球でもらったグラをたたえたかったのかもねと思った。
グラのケースはいつも枕元においていたんだけど、この日は部屋の明かりを消してから、小さな懐中電灯で自分の顔を照らしグラをみつめた。
グラは、光に照らされたわたしの顔を驚いたようにみて、顔を何度かゆすった。
ちょっとこわかったかな?みかんをあげると、グラはチュっと汁をのんだ。
そして、連日のグラの看病と個展の準備で消耗していたわたしは、0時少し前に眠りについた。グラが目が覚めて喉がかわいたりおなかがすいたらすぐ動けるように、アロマランプをケースの横において。
夜中いふと目が覚めた。
グラを見ると、グラがケースの中からこちらをみている。
眠る時は反対側にいたけれど、この時はこちらに一番近い壁側にいた。
あっ、でもグラが止まっている。
グラっと小さくよびかけ、ケースをトントンとたたいたけれど動かない。
グラは小さな身体をおいて旅だったのだとすぐにわかった。
となりで眠っているきぢを起こして、グラがなくなったことを伝えた。
きぢは「えっ!?グラ?グラ?」と言った。
わたしは、ケースのなかに手をいれ、グラをそっと外に出した。
ひらいていた片方の翼をそっとしまい、両手ですっぽりとつつみこんだ。
涙が静かにこぼれてくる。きぢに時間をきくと午前2時少し前だという。
それから、朝にになるまで、グラをおなかの上にのせ、横になって目をつむっていた。大好き、大好き、ありがとう、ありがとうグラと思い続けながら。
そしてクリスマスの朝を迎えたんだ。
忘れられないクリスマス。