おいとま展3日目 鳥たちの旅

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小さな男の子は、壁にあらわれた虹や鳥たちと楽しく交流してくれた。
特に、虹の絵に手をおいてしばらくじっとしていた姿がなんとも愛しかったよ。
絵を描くって、頭の中(ハート)のイメージを目に見えるようにしたものなんだけど、イメージの世界をほかの人たちと共有できる喜びがあるよね。
ビルの合間から差し込むお日さまの温もりを感じながら、静かな時間が流れていく。
会場にわたし1人の時、わたしが多くの時間を過ごしてきたこの建物に想いをはせる。
壁も窓も床も天井も、それらを構成しているすべての物質も、窓からみえる緑や景色に「今一緒にいてくれてありがとう」という気持ちを伝える。
魂をもっているのは、なにも人間だけじゃない。
夕方、見知らぬお客さんがふらりとあらわれた。
個展のお知らせは知り合いにしか送っていないから、ギャラリーでもお店でもないこの会場に足を運ぶ人は、ほとんどがよく知っている人たち。
その人は、建物の外にはっていた手描きのポスターをみて入ってきてくれたそうだ。
いつもバス停を降りて、この建物の前を通って家にかえる。「おもしろい建物だな?中はどんなかな?」って思っていたって。
なんかいいね、こういうの。たしかに、ぼんやりと「通りがかりの人が1、2人とびこんできてくれたらおもしろいな」って思っていたんだよね。渡り鳥っぽいでしょ。
この建物はわが家ではあるんだけど、この街の景色の一部でもあるから、景色はみんなのものだから、建物の最後の時間を一緒に味わってもらえるのは幸せなこと。
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そして夜は、おいとま展のテーマである「渡り鳥」を一緒に体験した仲間たちが集まった。秋にわたしたちは河を横切り、山をのぼり、雨にうたれ、丘を歩き、海を眺め旅をした。そして旅から帰りまもなく、大切な友人を見送るという体験をした。
ふだんは違うをところを飛んでいるわたしたち。
「そちらの空はどんななの?」って時々、こうしてのぞきっこをするんだ。
こういうのを同窓会っていうのかな。また会おうね。