「なんだこれは!」(先生)

先生が診察室に入ってきた。
「セキセイインコでは非常に珍しいのですが、トリコモナスという虫が出ました。しかも、すごい数です。30年間獣医をやっているけれど、セキセイインコではじめてですし、こんなすごい数を見たのも初めてです」と言って、わたしにも顕微鏡を覗かせてくれた。オタマジャクシみたいなのがゾゾっとするほど泳いでいる。

このトリコモナスというのは原虫(寄生虫)の種類で、飼い鳥ではオカメインコ、文鳥に時々発症するという。しかも体力の落ちた幼鳥に。なのになぜ大人になったブルーノに今頃出てきたのか、先生も首をかしげる。

これだけの原虫が、身体の中で活発に動き回っていたら、具合も悪くなるはずだ。
病院にすぐ連れてきて本当によかった。
様子をみている状況ではなかったと、後になってはわかることだけど。

ブルーノの身体に発見された病原体は、これで5つ目。
サーコウイルス、ジアルジア(原虫)、メガバクテリア(真菌)、カビ菌、そして今回のトリコモナス。
一体どれだけ劣悪な環境で生まれ出荷されたのか。

そして、ウイルスも克服し、すっかり元気になったブルーノだけど、まだまだ油断できないなと思った今回の病気。どれもいつ死んでもおかしくないくらいの病原菌たちを体内に持ちながら、見事に乗り越えてきたブルーノの生命力の強さには感心する。

ブルーノは、駆虫薬と抗生剤をのんで、どんどん回復に向かっている。
西洋薬ってすごいなと改めて思った。虫がいなくなったら、薬で冷えた身体と腸の善玉菌を回復させないとね。
わたしも、また勉強だ。

リモーネは、そのう、フン検査とも問題なくて一安心。
心は繊細だけど、体はしっかりしているリモちゃん。