とりもどしたいのは

首里城が燃えたその時から、首里城を再建しようという動きは始まっていた。
絶望、失望ではなく、再建という明るい方向へ人々の心がいくのはいいことだと思う。
2日で1億8千万円の寄付金が集まったと那覇市は発表していた。

そう、お城は、お金と時間をかければ再建できる。それは確かに希望の光だ。
でも、首里城の中にあった琉球の貴重な資料や書や工芸品は、燃えてしまったものは取り戻せない。
今の時代だから、資料もデジタル化され、工芸品は写真として収められているとは思うけれど、もう実際にみることができないのが本当に残念。
一般の家だって、めったに火事なんて起こらないのに、そんな貴重な資料を保存しているところが、あのタイミングで全焼するってのは一体どういうことだろう?

国が首里城再建に協力すると言っているけれど、必ず何かと引き換えにしてくるはずだ。
再建、再建と熱くなっているうちに、もっと大切な何かが失われないようにしないといけない。

あの美しい曲線の城壁だって残っているし、正殿に行くまでのいくつかの門や、新しくできた大内原の建物も残っている。
首里の魅力は、あの街全体の清々しさ、穏やかさだと思うので、ゆっくりと失ったものをみんなの力で癒していけばいいと思う。

火災の日から、首里上空を日中はヘリコプターがずっと飛んでいる。
個展まであと2週間。ヘリの音を聴きながら、準備進行中。