生きているって

朝目覚めると、すぐに水槽のところに行く。
魚たちは、夜は水の底の方の物陰に身を潜めて眠る。
だから、部屋がまだ暗いとどこにいるかわからなくて、明かりをつけてしばらく待っていると、どこからともなくスイスイと現れる。

テトラ君は、身体の半分くらいが動かないから、昨日あたりからは身体を痙攣させるようにして移動する。
今朝も、ネオ君はすぐに現れたけど、テトラくんの姿は見えなかった。
「死んでしまったのかな?」とシーンとし気持ちで探す。

でも、今日も身体を必死に動かして、生きているよ!って見せてくれた。
その姿を見るだけで涙が出てくる。ありがとう、ありがとうって。

身体が思うように動かなくなって、それでも生きるって、人にもあることだ。
そこには健康な人にはわからない何かがあるのだろう。
生かされている間は、借りもののこの身体を大切に生きる。
呼吸して、動いて、世界を感じて、心を見つめて、ただそれだけに意味がある。

日々のあたり前のことが、こんなにも愛しいのは、動物たちが教えてくれている。


ネオがテトラを先導してマカバのところへ


テトラがマカバの下にたどり着いた