オルン、青空へ還る

朝いつものように、水槽に照明をつけて、魚たちの数を数える。
1、2、3、4。あれ5のはずなのに。
そのうち物陰から出てきて、やがていつも通りに5匹になる。
でも、今朝は待てども探せども、4のまま。
いないのは水槽のリーダーオルン。
ずっと病気を抱えていたから、もしやと、水草やヒーターの陰などを探してもどこにもいない。
いつもは「オルン、オルン」って呼ぶと、胸ビレをパタパタさせながら踊り出てくるのに。

そして、ようやくオルンを見つけた。
オルンは死んでしまった。

昨夜、眠る前に、いつもより念入りにオルンを見つめ、ヒーリングをした。
オルンはじっとこちらを見てた。口がパクパク少し苦しそうだなと思っていた。
でも、朝も他の子に負けじとエサに飛びついていたのに。
魚は弱ってくると、物陰に隠れたり、仲間から離れることが多いみたいだけど、オルンはいつもと変わらなかった。
体の曲がりが大きくなって泳ぎずらそうだなとは思っていたけど。

3日前の新しい水槽台への設置がオルンの体に負担をかけてしまったのかもしれない。
毎日のようにアクアリウム大学を視て、魚たちのことを学んでいるけど、私はまだまだだ。

1週間ぶりの青空。オルンは青空へ旅立っていった。
数日前から動かなくなったイシマキガイ君とともに土に戻した。
2020年11月に始めたアクアリウム。あれから、5匹の魚たちを見送った。
でも、今日が一番泣いてしまった。一番長い付き合いだから。5センチ足らずの小さなお魚だけど、魂の大きさに大きいも小さいもない。歯医者にいくモノレールの中で、マスクの下で鼻水を流して泣いた。死は悲しみではない、一緒に過ごした時間が愛しすぎるのだ。