マイケル事件。

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あたたかな光が街をつつむ幸せな時間。
こんな穏やかなことが嘘みたいに心が乱れる時がある。
まだまだ幼い私の魂。
先週の土曜日(11月12日)、事件は起きた。
庭によく遊びにくる白い大きなネコのマイケル。
この日もグスクもよく寝ていた草のベッドでくつろいでいた。
身体は大きくて、一見柄が悪そうだけどよく見ると優しい顔をしている。
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私が家の前で掃除をしていると、マイケルも珍しく後をついてきた。
そして、しばらくこちらを眺めた後に、向かいのレジェンドの暮らしていた空家に入っていったのだ。
ちょっとした冒険かな?
すると、空家からガタガタと暴れる音。
10秒後にマイケルが飛び出してきた。
身体には白い板状のものが張り付いている。
取り乱したマイケルは、そのまま猛ダッシュして倉庫のベランダへ。
後を追いかけたけれど姿はなく、10メートルくらい下の大家さんの畑から暴れる音が聞こえてきた。
草むらで暴れているらしい。でもその後シーンとしてしまった。
身体に張り付いていたものはなんだろう?粘着性のネズミとりではないだろうか?
ずいぶん下に落下したけれど怪我はしていないだろうか?
大家さんの畑に探しに行ってマイケルの名前を呼ぶと、かすかな声で「ナ・・」と聞こえたような。
姿はない。しばらくすると、畑にある倉庫の中から、また暴れる音。でも姿は見えない。
すごく心配なまま家に戻った。
大家さんがいたのでマイケルの一部始終を話すと「それはネズミ捕りだよ、はっはっ」って。
ああ、かわいそうなマイケル。
なにやら、レジェンドの家が空家になったので、壊れて出入り自由になっているお風呂場にネズミ捕りを置いたとか。
「不思議なんだけど、毒入りの餌だけがなくなってネズミの死骸がないんだよ」と不思議そうに言っていた。
私は、マイケルが毒を食べていないか、そしてマイケルの友だちのミケランの姿を見かけなくなったのはまさか・・・。
私の心はネガティブな妄想でいっぱいになってしまった。
そんな私にきぢは「心配されるなんてマイケルも迷惑だよ。マイケルが元気なことを信じなさい」だって。
きぢ曰く、人は見えないもの、わからないものを想像する時、ネガティブな思考に囚われる仕組みになっているんだそうだ。
翌日も畑に探しにいった。ネズミ捕りが張り付いて動くのが不自由になったマイケルがどこかに閉じ込めれていないか。でも、気配すらない。
穏やかでジェントルマンだったマイケル、こんなことで命を落とすなんて。
そして毒だんごでもうこの世にはいないかもしれないミケランとその子供のウシモカ。
夕方、庭で洗濯物を取り込んでいるきぢが、家の中にいる私に「そっと庭をのぞいてごらんなさい」って。
もう日も暮れて暗くなった庭の片隅に、白いものがぼんやり。
マイケル!!
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マイケルの身体には、もうネズミ捕りは付いていない。
白い毛には粘着シートの跡が残っている。
でも目立ったけがもなく元気そう!
そして翌日には、久しぶりに彼女のミケランも連れてきてくれた。
ミケラン、生きてたのね!
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今回のマイケル事件でわかったこと。
ネガティブな想像はなんの足しにもならないということ。
想像は妄想に発展して、それがあたかも真実だと思い込んでしまうこと。
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今日もマイケルは庭でくつろいでるよ。
もはや毛糸玉。