13年前の気持ち

2012年、東京から沖縄に引越すことを決めた。
風が大好きなのに、息を止めてしまうようになったからだ。
空気が汚れてると思ったから。沖縄人のきぢも弱ってきたような気がしてた。

迷いは少しあった。家族やたくさんの友だちと遠い場所へ行くから。
汚れた世界から自分だけ逃げだすような気持ちもあった。
でも仕方ない、感じ方は千差万別だし、自分の感覚で生きていくしかない。
心地と感じる場所に入ればいい。

沖縄で借りた家は、高台に立つ庭のある平屋。
海と森と街が見渡せる、山の上でもないのに。
家の前には大きなガジュマルの樹もある。

土の上でおひさまを感じながら生きたいと思った。
駅からも、スーパーからも遠い徒歩の生活。
車も持たない。夏の買い出しは山登りみたいなハードさ。

いいの不便な生活が。
便利なことで失われるものの大きさに気がついたから。
便利さと引き換えに、原発事故なんてもういやだ。