ミケランコが待っていた

東京に行っている間、いつもうしモカと一緒にいたミケランコはどうしているかなと時々思っていた。
うしモカのことが大好きで、いつも後を追いかけていたのに、急にお別れになってしまって。

東京から沖縄の家に帰ると、すぐにミケランコが庭にやってきた。
ニャンニャンニャンってすごく嬉しそうに駆け寄ってくれてね。

翌朝、ミケランコが呼ぶ声が聞こえたので外に出ると、玄関の前でこちらを見ている。
「どうしたの?」って出て行くと、ミケランコがさっとスロープを降りていき、その先にはうしモカたちをいつも可愛がっていたお兄さんがいた。
ああ、なるほどミケランコはうしモカのことを、お兄さんに伝えてほしかったんだね。

お兄さんは、朝になるとバイクで駐車場に帰って来る。
するとネコたちはバイクの音を聞きつけ、おかえりと駆け寄ってくるのが日課だったらしい。
うしモカのことは「あおさん」って呼んでいたって。青空の下にいるから。

うしモカが亡くなったことを伝えると「そうですか、この1週間こないなと思っていたんです」って。
ミケランコは、その話を聞いているのか聞いていないのか、近くでゴロゴロと寝転がっていた。
だいたい話し終わると、安心したようにどこかに消えていったから、やはり伝えてほしかったんだね。

うしモカでだいぶ鍛えられたから、ミケランコともこれからもっと意思の疎通はできるようになるはず。
うしモカの意志を引き継いだ私とミケランコの第二ステージが今日から始まる。