それぞれの風の詩

24本の羽太気(はたき)には、風の名前とそれぞれの詩がついています。

谷風 「妖精たちのすべり台 山の上からかけぬけて」

檸檬風 「レモンの爽やかさのように いつまでも 初々しく生きるんだ」

上風 「動かない植物たちに 遠くからの伝言届けるのは 風のお仕事」

江戸の風 「ひかえめだけど 味がある 粋な生きざま」

貝寄せ 「たどり着いたのは 砂浜の光 春の風にのって 波にのって」

光風 「雨ふりのあとは 光に満ちた空気が待っている」

舞い風 「光と風は手を繋いで クルクル踊る だって世界は命で満ちている」

天狗風 「それは突然に 私のもとにやってくる 強く 軽やかに にぎやかに」

時つ風 「満ちてくるものを受けいれて その時を待つ」

恵風 「生きとし生けるもの 恵みがあるからここにいる」

神渡し 「神様ご一行は 風に乗って旅をする 風そのものが神様なのか」

緑風 「緑のトンネルをかけぬけて 青い夏が待っている」

和風 「やわらかく あたたかい 神さまの手が わたしを通りぬける」

金風 「黄金色に輝く樹々 生命のサイクルはすべての季節が美しい」

花嵐 「花吹雪 散っていくのがさみしいような 待っているのがうれしいような」

白南風 「雨、雨、雨のあとは 青空まぶしい 太陽の季節」

清風 「透明な風は 何色にもなれる そして透明に戻っていく」

薫風 「風のなかにひそむのは すべての命の粒 光、緑、花、水、土・・・」

海風 「ブルー ブルー ブルー 深くなり 明るくなり 濃くなり 泡となり」

木の芽風 「冬の間待っていた 鳥たちの歌声 雪をとかす光 つぼみは命をたくわえて」

天色風 「空はかぎりなく どこまでも広がる すべてのものの上に」

青嵐 「小さくひらき始めた緑 世界はこんなに みずみずしいの」

朝東風 「日がのぼり 朝の空は 色を変えて輝く」

朝戸風 「朝の光と風が 今日の始まりをつれてくる」