グラを想う

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グラはどちらかという身体の弱い小鳥だった。
後半生は、温度調節が大変で、いつもグラが羽根をふくらませていないか(寒い)、細くなっていないか(暑い)を、ひよこ電球をつかった暖房器具で調整していた。
卵がつまったり、風邪をひいたり、骨折したり、もうだめかもと思うことが、5回以上あったかな。でも、生きる思いが強いのか必ず復活してくれたの。
だから14年10ヶ月生きたというのは、グラにとって奇跡みたいなことなんだけど、それでももっと生きてほしいと思ってしまうんだよね。大好きだから、ずっと一緒にいたいから。
グラがお空にかえって、丸4日経とうとしている。
グラがまだ近くにいるような気がして、鳥カゴはそのまま。
グリ、グラ!ってふたりに話しかけているんだ。
でも、そこにグラの姿はなくて、グラの思い出がしみこんだものを見るたびに、泣けてくる。理由はわからない。ただわたしの心はとにかく泣きたくなる。
この数日で何人かのお友だちに会ったのだけど、そのたびにグラのことを話すと大泣きしてきた。それをみた友だちも泣いてしまう。こんなに毎日泣いたのはひさしぶりだ。というか、魂の家族を見送るのは初めての経験だから、どんだけ涙が出るのかも想像つかないよ。
でも、その涙の向こう側で、新しい世界がじんわりと広がっていくのも実は感じている。グラの生と死をとおして、わたしの魂に流れ込んでくるなにか。