冷蔵庫が教えてくれたこと


冷蔵庫が動かなくなった。
いつものように冷蔵室の扉を開けると、気のせいかちっとも冷たくない。
中に入っている食品たちをさわってみるけど、少し冷たいくらい。
そして灯はついているけれど、いつになくシーンとしている。
それは金曜日のことだった。
冷蔵庫は結婚して東京に引っ越してきた時に買ったから、11年目になる。
最近では、冷蔵庫の寿命は10年前後らしいから故障する時期が来たのだと思う。
翌日、きぢと電気屋さんに行って新しい冷蔵庫を注文した。
冷蔵庫はこの10年で色々進化しているみたい。
冷凍の方法とか野菜室の湿度管理とか。
それはそうと、10年使った冷蔵庫を眺めていると、この10年の私たちの歴史が見えてくる。
楽しい時も、嬉しい時も、悲しい時も、怒っている時も、冷蔵庫を開けては閉じてを日々繰り返してきた。
1年に数回は冷蔵庫の大掃除をしていたけれど、奥の方に入っていたものや、何かの下に隠れていたものが、この機に発掘された。だけど、うちの冷蔵庫の中って、ほとんど調味料だったんだ。
湿度の高い沖縄だから、粉物、ハーブ類、塩、お茶、ほとんどのものを冷蔵庫に入れたくなる。
だけど、これからはパッとみて何があるのか一目瞭然にしたい。
服もそうだけど、保存しているものも常に動かしていたい。
何かあそこにあるけれど、いらない気もするけれど、捨てる思い切りもないからモヤモヤしたままそこにある。
見ないふりをしても、それは心を少しずつ侵食していくものだ。
10年間お世話になったシャープの冷蔵庫さん、どうもありがとう。
これからお世話になるのは東芝の冷蔵庫さんです。350Lから410Lに増量。