ガジュマルさん

なんでだろう?また古い大きなガジュマルの樹が切られている。
その樹は、高台にある保育園の庭にあるとても立派な樹で、
わたしの家の台所からもみえるし、家に帰る坂道からもよくみえる。
つまり、毎日の大切な風景の一つの樹なんだ。
あの樹のなかには、野鳥も虫もたくさん暮らしていたはずね。
この1年で、ご近所の古い樹が切られてしまうのは3回目。
崎山御嶽とりゅうたん池のアカギ、そして保育園のガジュマル。
そのたびに、ものすごく胸が痛む。悲しくて泣けてくる。
樹が病気だからとか、根っこが建築物をこわすとか、
たぶん樹をきる理由はあるのだとは思うけれど、樹がそこに何百年も経ち続けてきたことと比べてそんなに大きな理由があるのかな。
人の立場にたてばそれは当然なのかもしれないけれど。
わたしの立場は時々、人じゃなくなる。
首里は那覇市にあるけれど、公園もあり、古い樹もたくさんある。
緑が大好きなわたしは、街と自然のバランスが素晴らしいこの場所を選んだんだ。
でも整備という名前で樹が切られていくのをこんなに見ることになるなんて。
ただわたしにできることは、樹のスピリットを胸の奥で感じること。
怒りも悲しみなく、ただそこにある樹を感じること。